【ネタバレ有り】性的少数者の出会いの場だったことも記録。泣いたよね。映画『沼影市民プール』
で、太田監督のすごいところは、沼プーが性的少数者の出会いの場だったことを記録として残す取り組みも入れたこと。当然のことながらリアルに通っていた常連さんに協力を求めるのはプライバシー保護上無理だし、そもそも市民プールの役割とはちょっと違うし。そこでうまいことやってくれたんですよ。そのパートだけ創作なの。これがマジすごい。「こういう人がいただろうし、彼らのような出会いがなかったとは言い切れない」っていう絶妙なラインの創作劇が入ってくるのよ。エモい。エモ過ぎた。市民プールの存在意義である「人が健やかに幸せになり、社会は共同体であることを認識する場所」ってことまで、この創作パートでも描いちゃってるんだもの。泣いたよね。
そしてさらに素晴らしいのは、ジャッジは絶対にしない姿勢。プールをなくして学校を作るっていう方針に反対も賛成も示さないけど、取材対象との対話はじっくりする。このスタンスが曲がらないから、すでに壊されてしまった沼影市民プールにまつわる「代えがたい思い出」として機能する作品になってるんですよ。いや、マジすごい。
人気記事を見る
この記事の画像一覧
WRITER
1972年、東京都新宿区生まれ。大学在学中からゲイ雑誌『バディ』編集部で勤め始める。卒業後、音楽誌、情報誌、女性誌などの編集部を経て独立。『sweet』、『otona MUSE』(共に宝島社)で編集・執筆のほか、『an・an』(マガジンハウス)、『家の光』(家の光)、『with』(講談社)、『J:COMマガジン』(J:COM)など多くの媒体で、インタビューやレビュー記事を連載。テレビ、ラジオ、ウェブなどでも映画紹介をするほか、イベントでの解説、MCも。ゴールデングローブ賞国際投票者、日本アカデミー賞会員、日本映画ペンクラブ会員。
Googleでオトナミューズ ウェブをフォロー



















