子どものころにお人形遊びをしたことがある人なら超必見。『バービー』は、あのバービー人形が主人公の実写映画。ええ、遊んだのが、リカちゃんでもキャベツ畑でもシルバニアなんちゃらでもOK。とにかく、人形遊びをしたことがあるならば、この映画で描かれていることが痛いほどよく分かるはずなんです。バービーランドで幸せに暮らしていたスタンダードなタイプのバービーが、一度「死」について考え始めたら、突然加齢現象発生。足は平らになり、セルライトが浮き出て、なんなら目の下にクマ！ この原因になってるのは現実世界の持ち主にあり、ということで、LAに乗り込むというお話。バービーのイメージにぴったりのマーゴット・ロビーが演じていることもあって、リアル化した人形に違和感がないのがマジ奇跡。そして、人形で遊ぶことが与える影響や意味を解き明かす後半部には、のけぞるほどのショック。おまけにケン=男性の価値観にまで言及していて、終盤は目からウロコの連続です。

重めですが超良作が公開。それが『インスぺクション ここで生きる』。ゲイであることを理由に母親から捨てられ、ホームレスとして生活する主人公が、自分の存在意義を求めて海兵隊へ入隊し、そこでも差別と暴力にさらされてしまう......というなんとも救いなさげな出だしですが、なんとこれ、実話ベース。監督自身の経験をもとにしたお話なんです！ それを知ってから観ると、もうね......人生って......（泣）と涙。ズドンと心に刺さる名作でございます。