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よしひろまさみち

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日本映画のお約束を無視した快作! アカデミー賞にノミネートされた『PERFECT DAYS』は必見【よしひろまさみち】

パーフェクトデイズ

ちょっとした時間があるとき、未見の映画やドラマに手を出したいんだけど、分かんないから好きなのを繰り返し観ちゃう……という方。映画ライターよしひろまさみちが実際に観て偏愛する作品を、本音でおすすめしますよ〜。

よしひろさん、「きのう何観た?」
『PERFECT DAYS』

パーフェクトデイズ

story 東京・渋谷の公共トイレの清掃員として働く平山(役所広司)は、同じルーティンをこなす毎日に満足していた。だが、ある日、長い間連絡を絶っていた妹のもとから姪が家出し、彼の家へ転がり込む。
監督:ヴィム・ヴェンダース/出演:役所広司、柄本時生、中野有紗、アオイヤマダ、石川さゆり、田中泯、三浦友和 ほか/配給:ビターズ・エンド/公開:現在、TOHOシネマズ 新宿ほか全国順次ロードショー中 ©2023 MASTER MIND Ltd.

★自分で考えるのが好きな人へ★

米アカデミー賞の候補、発表されました〜。国際長編映画部門で日本代表としてエントリーしていた『PERFECT DAYS』、見事最終候補にイン! おめでとうございまーす。ということで、見直しておきましょか、と劇場へ。じつはあたし、これを劇場で観るのは3回目。そんな見直す必要あんの? という方、ノンノン。観るたびに発見があるんですよ、コレ。公開されて1カ月経っているので、観ている方も多いかとは思いますが、おかわりしたあたしから改めてプッシュ。


何度観ても、いやー今の日本映画界でコレを作れる人はいないわ、って思っちゃう。なんせこの企画、映画界の外の人たちが実現させたんで、現在の日本映画のお約束を完全無視してるの。だからできちゃった。


その日本映画のお約束がなにかっていうと3つあります。ひとーつ、分かりやすい。あたしは「分かりやすさ至上主義」と呼んでいるんですが、説明過多なセリフや思わせぶり過ぎるカットなど、9割方の人に分かりやすくしてしまうのよ。ふたーつ、売れてる原作もの。いや、動員は見込めるけど、企画自体が「売れてるから」っていう理由。おかげでオリジナル脚本の企画は大手配給じゃ通らない! みっつー、人を呼べるキャスティング。動員したいからってキャストに頼りすぎてるのよ……。おかげで「あ、またこの人?」って現象起きてるでしょ? そのせいで、無名ながらも才能ある人や、役者じゃないけど役にあった雰囲気アリっていう人にチャンスが回ってこない。これら3つを完全スルーしたのが本作。セリフ超少なく、オリジナル脚本、役所さんや柄本さんなど芸達者な役者とちょい役で石川さゆりさんや研ナオコさんとか。テレビでおなじみの顔ぶれじゃなくて、役柄にあってて芝居のできるキャスティング。マジでお見事。個人的には、石川さゆりさん&三浦友和さんのシーンは、何度おかわりしても最高と思っております。

パーフェクトデイズ

このシーン、めちゃオモロです。ほぼコント

渋谷区の公共トイレ改修プロジェクト「THE TOKYO TOILET」でガラッとイメチェンしたおトイレ。ぜひ実物見に行ってね

三浦さんが役所さんと隅田川のほとりで乾杯。この直前起きたことが最高なの!

石川さゆりさんは割烹の店主役。ふふふ……この笑みの裏に何が!

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WRITER

よしひろまさみち/映画ライター

1972年、東京都新宿区生まれ。大学在学中からゲイ雑誌『バディ』編集部で勤め始める。卒業後、音楽誌、情報誌、女性誌などの編集部を経て独立。『sweet』、『otona MUSE』(共に宝島社)で編集・執筆のほか、『an・an』(マガジンハウス)、『家の光』(家の光)、『with』(講談社)、『J:COMマガジン』(J:COM)など多くの媒体で、インタビューやレビュー記事を連載。テレビ、ラジオ、ウェブなどでも映画紹介をするほか、イベントでの解説、MCも。ゴールデングローブ賞国際投票者、日本アカデミー賞会員、日本映画ペンクラブ会員。

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