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【神木隆之介・浜辺美波】「私たちは人間役、主役はゴジラ!」映画『ゴジラ-0.0』ネタバレなし撮影秘話インタビュー

【神木隆之介・浜辺美波】「私たちは人間役、主役はゴジラ!」映画『ゴジラ-0.0』ネタバレなし撮影秘話インタビュー

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映画『ゴジラ-0.0』がとうとう11月3日、公開されました。製作・配給はもちろん東宝、監督は山崎貴さん、VFXプロダクションは白組。日本ではもちろんアメリカでも大ヒットし、世界興行収入は140億円を突破。受賞も数えきれないほどですが、第96回米アカデミー賞で視覚効果賞を受賞した際はまさに日本が誇る特撮映画、日本が誇る、ゴジラ!

 

今作の舞台も戦後の東京。主人公のパイロット・敷島浩一を演じる神木隆之介さんと、空襲で家族を失い預けられた女の子と必死で生きるヒロイン・大石典子を演じる浜辺美波さんに貴重過ぎるお話を聞かせていただく機会を得ました。聞き手は映画ライターのよしひろまさみちさんです。インタビュー中「私たちは人間役、怪獣が主役」なんておどけるおふたりですが、この大作の重圧ごと吹き飛ばすほどの、素晴らしい主演ぶりなのです。

――前作はVFXで米国アカデミー賞とっちゃいましたし。その結果を受けたうえでの、お二人の熱量は?

 

神木 それが……あまり変わったことがなかったんですよ。主役はゴジラさんなので。

 

浜辺 そうなんですよね。私たちはあくまでも人間役。怪獣が主役。

 

――(笑)

 

神木 オスカーをとったのも主役のゴジラさんを作った白組さんですし、僕たちはアカデミー賞授賞式のニュースをただただ「やばい! 白組すげえ!」って一般の方と同じ感覚で観てたんです(笑)。

 

浜辺 出演しているからおこぼれいただいちゃった、みたいな感じで喜んでました(笑)。

 

神木 どこか他人事というかおこぼれ感ありましたよね。でもこれで公に「よっ! 世界のタカシ」って言えるのは嬉しかった(笑)。

 

浜辺 それ、受賞前から言ってましたよね(笑)。

 

神木 そうそう。監督にそれ言うと「おいおい」ってツッコミが入ってたんですが、そうもいかなくなるってすごいことじゃないですか。それに、あの受賞以前から国内外ですごい高評価をいただいていたこともあり、別の現場でスタッフさんから「あの……『ゴジラ-1.0』、5回観ました!」っていうような方がいらっしゃったりで、業界内で僕たちに対しても大きな反響をいただいていたんですよ。だからといって僕たちが何か心持ちを変えたかというとぜんぜんそういうことはなかったんです。ただ、こんなにも愛される作品に出演させていただいたんだ、という気持ちを持って今作には挑むことができたと思っています。

浜辺 それは私もありました。公開されてから、他の現場でありとあらゆる世代の方から「続編あるんですか?」とか「あのアザどうなるんですか?」って聞かれたんです。それで本当に多くに方に愛されている作品なんだ、と感じていました。それと、私は前作で典子にちゃんと向き合っていたからか、すごくスムーズに役に入ることができた気がします。多分それは神木さんも同じだったんじゃないかと。

 

神木 お互いに土台ができていたことおかげで、すごくすっと入っていった感じがしますよね。浜辺さんがもう典子に入っているから、僕も敷島にするっと入る、という感じで。そのおかげで、変に力むこともありませんでしたし、空回りせずに楽しくできた気がします。

 

浜辺 私の場合、明子とのシーンが多いのですが、明子は前作と同じ役者さんの永谷咲笑さんが演じてくれたのも大きかったと思います。こういう長いスパンで同じ役を演じることも滅多にないことですし、クランクインするまでは成長した永谷さんとのやりとりがどう見えるんだろう、って緊張感があったのですが、撮影が始まってしまったらすぐ前作での典子と明子の関係に戻れたんです。

――永谷さんは明子を演じたこと、覚えてました?

 

神木 「覚えてる?」って聞いたら絶妙な顔して「……うん」って言ってました(笑)。

 

浜辺 多分覚えてないんじゃないかな。でも、成長した今の彼女とのお芝居はすごくやりやすかったです。コミュニケーションがとれますし、一緒に遊べますし。家族の雰囲気は作りやすくなったと思います。

 

――撮影で一番きつかったのは?

 

神木 いやそれが……前作を超える大変なことってなかったんですよ。前作は10日くらい海に出て撮影したんですが、「本当に死ぬんじゃないか」ってくらいにきつくて。あの大変さを乗り越えてしまったので、今回もしかしたら大変なところがあったのかもしれないけどそれほど感じなかったんですよね。その分、心の余裕があったから、じっくり作品に向き合えたと思います。

 

浜辺 じつは私も(笑)。前作は出演時間が短かったですし、ゴジラ映画に出るというプレッシャーや第二次世界大戦後に子どもがいる女性っていう初めて挑む設定で、かなりドキドキしていたんです。もちろん今回も緊張はしましたけど、神木さんや監督、スタッフの皆さん、みんなおなじみの顔ぶれだったので、撮影に入ったら楽しくなってしまいまして(笑)。それに前作の典子は、電車でぶら下がって落ちたり、爆風でふっとばされたり、アクション要素が多かったけれど、今回は家族パートのお芝居に集中することができたので、すごく楽しめました。

 

神木 典子が筋トレにハマっている設定を入れればよかったのに(笑)。

 

浜辺 いやです(きっぱり)。

――現場のオフカメラで印象に残っていることは?

 

神木 村上寛治役の(田中)泯さん! 年齢を感じさせないくらいひたすら元気なんですよ。しかも、僕が前原滉(村上の助手・萩原彰役)とすっごくくだらない話をしてるときに「なに話してるの?」って入ってきて、一緒に笑ってくれて。『国宝』で人間国宝演じてる人がですよ!? 素敵ですよね。大先輩ですが、現場のムードメーカーになってくださってた、と思います。

田中泯さん演じる村上寛治

浜辺 私は明子ちゃんかな。あやとりをするシーンがあるんですが、練習をずっと一緒にやっていました。すごく上手なんですよ。

 

――2年経っている設定ですし、その間にいろいろなことがあったんだろう、と想像させるセリフや芝居がありましたが、裏設定みたいなものはあったんですか?

 

神木 ほぼセリフ通りでしたね。実はこういう背景が……っていう指示はほとんどありませんでした。

 

浜辺 人間のパートはほぼセリフどおりでした。

 

神木 あ、そうですね(笑)。人間のパートでいうと、敷島家のお隣さんの澄子(安藤サクラ)が戦災孤児の施設を作って明子ちゃんも預かっている、っていうシーンがありますが、敷島と典子はその施設を作るのを協力していて、だから典子はちょっとお手伝いをしている、っていうような設定がありました。でもそれも「あの関係だから、きっと協力して作ったんだろうね」っていう感じでしたね。

 

浜辺 本当に台本どおりなんです。すごくしっかり作り込まれているので、読みやすかったです。とくに家族パートは感情の動きが見えるような書き方だったので、役作りもそれほど困ることがなかったんですよ。裏設定じゃないけど、前作同様にVFXで処理されるシーンは、ト書きで解釈するしかないので、どうなってるんだろう、とは思っていました。

――そのVFX。すごくしょっぱい話ですが、前作があれだけのヒットをしたということは、予算も増えたと思うんですが、そのぶん現場で変わったことはありました? たとえば「怪獣はここにいます」っていうポイントが前作ではテニスボールだったけれど、もうちょっと大きいものになった、とか。

 

神木 いや、とくに変わらなかった……かな。とりあえず、テニスボールはそのままでした(笑)。

 

浜辺 むしろ前作のほうが、電車や船など大型セット多くて派手に見えるかもしれません。

 

神木 ギミックがすごかったですよね。現場で予算の増加を感じることはなかったんですが、きっとオスカースタジオになった白組さんのVFXを強化しているんじゃないかと。

 

浜辺 そうですよね。VFXはポスプロ(撮影後の映像素材を使ってCGの合成や調整をする最終段階)の時間が少ないことが分かっていたから、プリプロ(撮影前の準備段階)にすごく時間をかけて、短期間で公開できるように準備をしていた、って話を聞きました。

 

神木 そうそう。前作よりもバタバタだって世界のタカシが言ってましたね(笑)。

 

浜辺 あ。あるシーンがすごかったですよね。後半部なので詳しくは言えませんが、ある乗り物に敷島と典子が乗っていて。それが細かいところまですごく作り込まれていたので、テンションがあがりました。

 

神木 あれ、すごかったですね。かなり揺れるシーンなんですが、カメラを振るんじゃなくて、ユンボでセットを揺らすから、芝居も気合いが入りました。

 

浜辺 出演時間短いのに出るシーンがフィジカルにきつかった前作からすると、あの揺れはむしろテンションをあげるためにちょうどよかったです。

 

神木 そこでもすごかったのが泯さん。めちゃくちゃ揺れてるんだけど、ダンサーとしての体幹の強さを見せつけられました(笑)。

――セットをユンボで揺らすって……クリストファー・ノーラン映画のようなことを(笑)。VFXもですが、セットも豪華になってますね。

 

神木 どれも緻密ですよ。たとえば、僕が後半部で乗るある機体は、本物に寄せてるせいか入るのも出るのも大変だったんですよ。だいたい朝8時から午後1時くらいまで乗りっぱなし。そのあと休憩を挟んで、また5時間くらい乗りっぱなし。途中で気づいてくださったのか「休憩していいよ」とは言われたんですが、出るのが大変なのわかってるだけに、その場で寝てました。

 

浜辺 本当に寝ますよね。

 

神木 え、だってセット内だからって眠気を我慢して、パフォーマンスが落ちるくらいなら寝たほうがいいじゃないですか(笑)。

 

――浜辺さんは眼帯したままのお芝居でしたけど、あれって距離感おかしくなりません?

 

浜辺 慣れるまではちょっとした段差とか気をつけてないと危なかったです。あと、ずっと片目で集中していると頭痛が……。こういうお芝居は初めてだったのですが、不便さに慣れすぎないのも典子にはあるだろうと思っていたので、むしろいい挑戦でした。

――家族パートでお二人のやりとりが多くなりますけど、そこは何か打ち合わせしました?

 

神木 浜辺さんとシーンについては相談しないんですよね。

 

浜辺 しないですよね。

 

――阿吽の呼吸……(笑)。

 

神木 長くやってるせいですかね。立ち位置や動く順番にしても、その場でやってみると、一番フィットするところにすぐ落ち着きますから。でも、難しかったのは明子がいるシーンかな。

 

浜辺 明子がいるシーンは、彼女を中心にして私たちがどう動くか、どういう表情をするのか、ってことを考えないといけないので、そこはお互いにサポートし合っていました。

――では、撮影でのハプニングはなかった?

 

神木 なかったですね……。あ、ひとつ印象に残ってることがあって、世界のタカシに褒められたことが。

 

――お!

 

神木 予告にも使われているシーンで野田さん(吉岡秀隆)と取っ組み合いになるんですが、前日に台本を読んでいてそのセリフがどうしても入ってこなかったんですよ。それで朝読み直してから現場入りして、監督に「どうしてもここのセリフに違和感があって引っかかるから、こう変えていいですか?」って相談したんですよ。それで本番やってみたんですが、後から監督から「よかったよ」と言われて。あれは嬉しかったですね。

 

浜辺 そんなことが! 私は典子のセリフ通りにお芝居をしてたんですが、神木さんのセリフが……前作からの物語のつながりやキャラの関係性を考えると、ちょっとわざとらしく聞こえるところがあって(笑)。そこを相談して変えてもらったことありましたね。

――ほんと、神木さんと浜辺さんっていいコンビですよね。お二人がお互いに感じた凄みみたいなものがありました?

 

神木 いやー、浜辺さん、すごい芝居がどっしりしましたよね。感性もお芝居も器もでかい。本当に素晴らしいですし、さすがですよ。

 

浜辺 母親役だからですよ(笑)。しかも2年経った設定ですし。

 

神木 いや、それにしても落ち着いたお芝居されるな、って思ってました。監督の要求が難しくてもすぐに「分かりました」っておっしゃって、しかもそれを本番でできちゃってる。それを見ていると、僕も安心してぶつかることができるんですよね。たとえば、僕らが寝ているシーンで、僕が本当に寝ていても全く気にせずお芝居してくださって。

 

浜辺 いえ……先生恐縮でございます。ありがとうございます。でも、あのとき本当に寝てましたよね。

 

神木 はい。寝てました(笑)。寝るシーンは前日に徹夜でゲームして眠れるようにしてますから。

 

浜辺 そういうところが神木さんはすごいと思います。緊張感があるシーンでの気迫や勢いはもちろんですが、そこにつながるシーンのお芝居も何気なく帳尻合わせてらっしゃるんですよね。私にはできないです。それに神木さんとは何度もご一緒させていただいてますが、神木さんが主演の現場って、居心地がいいんです。現場がすごく循環している感覚があって、いろいろな人をつないで包みこんでいく感じがするんです。しかもお芝居も軽くこなしているように見えるのだけれど、じつはすごく深く考えて作品作りに挑まれているのがわかるので、いつもそれを見ては「自分もシャキッとしなければ!」と思っています。先生!

 

神木 どうもどうも(笑)。

連続テレビ小説『らんまん』、ドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』など共演歴が多い神木さんと浜辺さん。

――えっと、いつもこんな感じなんですか?(笑)

 

浜辺 なんかいつもジャブを打ち合ってる感じですね(笑)。

 

神木 浜辺さんのように、主役で共演を多くさせていただいた方ってあまりいないんですよ。

 

浜辺 ほんと、こういうご縁はそうそうありませんから、甘えることなく切磋琢磨していきたいです。

『ゴジラ-0.0』
story ゴジラを海に沈めた海神作戦から2年。敷島(神木隆之介)と典子(浜辺美波)は明子(永谷咲笑)とともに静かな生活を送っていた。そんなある日、新たな怪獣が出現し、野田(吉岡秀隆)率いるチームが動くことに……。
監督・脚本・VFX:山崎貴/出演:神木隆之介、浜辺美波、山田裕貴、佐々木蔵之介、國村隼、田中美央、安藤サクラ、長澤まさみ、田中泯、吉岡秀隆 ほか/配給:東宝/公開:11月3日より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
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  • (浜辺さん)VFXはポスプロ(撮影後の映像素材を使ってCGの合成や調整をする最終段階)の時間が少ないことが分かっていたから、プリプロ(撮影前の準備段階)にすごく時間をかけて、短期間で公開できるように準備をしていた、って話を聞きました。
  • 前作に続き、吉岡秀隆さんも野田健治役で登場。長澤まさみさんは天才気象予報官・青山真琴役で登場!
  • 田中泯さんと吉岡秀隆さん。一体、何を言い争っているのか……!
  • これは一体、何!?
  • 田中泯さん演じる村上寛治
  • 連続テレビ小説『らんまん』、ドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』など共演歴が多い神木さんと浜辺さん。
  • (神木さん)別の現場でスタッフさんから「あの……『ゴジラ-1.0』、5回観ました!」っていうような方がいらっしゃったり、業界内で僕たちに対しても大きな反響をいただいていたんです。だからといって僕たちが何か心持ちを変えたかというとぜんぜんそういうことはなかったんです。ただ、こんなにも愛される作品に出演させていただいたんだ、という気持ちを持って今作には挑むことができたと思っています。
  • (浜辺さん) 眼帯したままのお芝居は、慣れるまではちょっとした段差とか気をつけてないと危なかったです。あと、ずっと片目で集中していると頭痛が……。こういうお芝居は初めてだったのですが、不便さに慣れすぎないのも典子にはあるだろうと思っていたので、むしろいい挑戦でした。

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Interview & Text_MASAMICHI YOSHIHIRO
Photograph_TOMOHIRO INAZAWA
Styling_ SATOSHI YOSHIMOTO(神木さん)、YUMIKO SEGAWA[sharey](浜辺さん)
Hair & Make-up_AKIHIRO OHNO[ENISHI](神木さん)、George(浜辺さん)

衣装クレジット■浜辺さん
トップス¥49,500、スカート ¥36,300(共にバウム・ウンド・ヘルガーデン/エスアンドティ)

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WRITER

1972年、東京都新宿区生まれ。大学在学中からゲイ雑誌『バディ』編集部で勤め始める。卒業後、音楽誌、情報誌、女性誌などの編集部を経て独立。『sweet』、『otona MUSE』(共に宝島社)で編集・執筆のほか、『an・an』(マガジンハウス)、『家の光』(家の光)、『with』(講談社)、『J:COMマガジン』(J:COM)など多くの媒体で、インタビューやレビュー記事を連載。テレビ、ラジオ、ウェブなどでも映画紹介をするほか、イベントでの解説、MCも。ゴールデングローブ賞国際投票者、日本アカデミー賞会員、日本映画ペンクラブ会員。

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