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【ネタバレあり解説】マイケル・ジャクソンは毒親の呪縛からどう抜け出そうとしたのか? 賛否両論の伝記映画『Michael/マイケル』

とりあえず言えるのは、こういう人を『不世出のスター』っていうのねー、ってこと。MJって神格化され過ぎてしまったことから、イメージがひとり歩きしてるじゃない。それがよ。この映画を観るとよ〜く分かるの。ジャクソン5時代の歌声からも分かる通りもともと天賦の才を持っていたことや、プロになってからの彼があらゆる天才たちとの出会いによって才能フルスロットルでターボ運転してたことが。こんな人、ほとんどいないわ……(似て非なるのがプリンスやマドンナですが、彼らの場合、家族の呪縛がMJほどはなかったはず)。ポップスターって本人の才能はもちろん必要だけど、まわりがガッチリと守りを固めているし、それゆえにプレッシャーや自由が制限された生活で潰れちゃったり、逆に才能に溺れすぎて周囲をドン引きさせることも多々。だけど、MJは自分の才能に溺れず、自分の身は自分で守るという術を得て、ひたすら自分のやりたいことを追求してたのね〜、ってのが、この映画の本筋です。

 

それを邪魔、というか、別のベクトルでの成功維持をしようとしてたのが、お父ちゃんのジョセフ。彼のステージパパぶりが横暴で、教育と称した虐待もあったって話はけっこう有名だったんだけど、映像で見せられると、もうゲンナリ。こんな毒親が家にいるだけで恐怖でしかないし、子どもの人生を支配しようなんてもってのほか。たしかにMJやジャネットが成功したきっかけを作り、きょうだいの才能を世間に知らしめた功績や、人種差別吹き荒れる60年代に「音楽だったら成功の道がある」と見出したことは、すごいと思うのよ。ただ、やり方がゲスい。もー、パワハラ・モラハラ・DVなんでもござれ。カネが転がり込んでくるようになってからも、「俺が仕切る!」ってMJを手放さないし。そりゃーMJだって弁護士雇うわ……。この映画は「毒親の呪縛からどう抜け出そうとしたか」っていうお話なの。これだけでも今制作される理由、ありありよ。

こんばんは、毒親です。

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WRITER

1972年、東京都新宿区生まれ。大学在学中からゲイ雑誌『バディ』編集部で勤め始める。卒業後、音楽誌、情報誌、女性誌などの編集部を経て独立。『sweet』、『otona MUSE』(共に宝島社)で編集・執筆のほか、『an・an』(マガジンハウス)、『家の光』(家の光)、『with』(講談社)、『J:COMマガジン』(J:COM)など多くの媒体で、インタビューやレビュー記事を連載。テレビ、ラジオ、ウェブなどでも映画紹介をするほか、イベントでの解説、MCも。ゴールデングローブ賞国際投票者、日本アカデミー賞会員、日本映画ペンクラブ会員。

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