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【ネタバレあり解説】5作中で一番すごい。過去作すべてが伏線の大傑作『トイ・ストーリー5』

まずひとつめ。ピクサー作品のすごいところは、子ども向けに見せかけて、一緒に観ている大人を泣かせるストーリーなのね。どの作品もそうだけど、やっぱシグネチャータイトルじゃん。よほどのアイデアがない限り、そしてよほどの試行錯誤ができないと続編は無理なのよね。おまけに、一応子どもたちが主要ターゲットだから、尺は絶対に1時間台。そんなコンパクトにおもちゃたちのストーリーを作れますか、ってことですよ。それができちゃってるのよね……。それどころか、ほんとに無駄なし。どのキャラクターにも光が当たってるの。特に4で大活躍だったボー・ピープやフォーキーをはじめとするキャラクターの扱いはマジで見事。賛否が分かれただけに、4のキャラをスルーして作ることだってできたはずなのに、まさか4のストーリー自体を伏線にするとは思いませんでしたわ。

 

ふたつめ。新キャラは基本デジタルガジェットだから、単純な「おもちゃ vs デジタルデバイス」って思い込んでいたのが間違い。デジタルデバイスとはいえ、流行り廃りがあるから、リリーパッド以前のデジタルガジェットたちはフィジカルのおもちゃよりも短い期間遊ばれて、そのままゴミ扱いになってるのね。この哀愁よ……。フィジカルのおもちゃたちと同じ目にあっているからこそ共闘できちゃうっていう流れはマジで想定外。それに、デジタルだろうがアナログだろうが、おもちゃの存在意義が同じってことを再確認させるのは見事としか言いようがありませんわ。

 

そしてぶれないテーマ。それが「おもちゃの存在意義」なんですよ。子どものパートナーであり遊び相手であり、ってのはもちろんだけど、シリーズで貫かれていたのは「子どもを笑顔にすること」なの。これがブレちゃダメ。おそらくですが、4が批判されたのはこれが薄かったからでしょう……(あるっちゃあるんだけど、それよりは子どもに独立の道があるのと同様、おもちゃに独立の道があることを示すのも大事だったからあのストーリーに)。それがですよ、タブレットがゲストキャラとなると、子どもにとっては「遊び道具」というひとつの目的しかないおもちゃと立ち位置が違うのね。リリーパッドは最初こそ「あたし、失敗しないので」と言いそうなくらいの多機能を発揮するけど、それが裏目に出たときにする行動に嗚咽。タブレットとはいえ、子どものため、子どもの笑顔のためによかれ、と思ってたことができてなかったから身投げ!? これには驚くとともに、さすがピクサー初期メンバー……と大感動でしたわ。

『トイ・ストーリー5』公式

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1972年、東京都新宿区生まれ。大学在学中からゲイ雑誌『バディ』編集部で勤め始める。卒業後、音楽誌、情報誌、女性誌などの編集部を経て独立。『sweet』、『otona MUSE』(共に宝島社)で編集・執筆のほか、『an・an』(マガジンハウス)、『家の光』(家の光)、『with』(講談社)、『J:COMマガジン』(J:COM)など多くの媒体で、インタビューやレビュー記事を連載。テレビ、ラジオ、ウェブなどでも映画紹介をするほか、イベントでの解説、MCも。ゴールデングローブ賞国際投票者、日本アカデミー賞会員、日本映画ペンクラブ会員。

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