【初めてのニューヨーク】「白タク」の洗礼で60,000円を支払うことに…俳優・清水みさとの旅エッセイ
ところが、昨今のアメリカは入国審査がまじで厳しくなっていて、女ひとりの宿なしは、ほぼお帰りください一直線。かといって、どこでもいいわけではなく、治安や動きやすさを考えた、いいエリアのホテルは軒並み目を疑うような値段になっていた。1週間、軽い気持ちで遊びに行くだけなのに、重めな金額を突きつけられ、突然行くのが嫌になった(自分のせい)。
すると、カメラマンが「ダメ元で、ニューヨークに住んでいる友達に聞いてみようか?」と言ってくれた。1カ月滞在していたとき、その友人夫婦の家に泊めてもらっていたらしい。「お願いします!」と、即座に甘え、一か八かのほぼ一に賭けて、とりあえず撮影に戻った。
すぐに返事がきた。ちょうど夫のマサヤさんは仕事で日本に帰国中で、ニューヨークの家には妻のエミコさんが一人だという。
友達の仕事仲間を、しかも急に明後日から1週間。さすがに難しいよね、と諦めかけたそのとき、マサヤさんは大阪にいるという。奇遇ですね、わたしたちも大阪にいる。どこですか、と聞けば、目と鼻の先にいた。こちらはもうすぐ撮影が終わるので「美味しいうどんを食べに行こうと思ってるのですがきますか?」と聞くと、「行きます」となった。
初対面でも関西人同士は話が早い。ニューヨークで絵を描いて暮らすマサヤさんの作品は、ちょっと身構えてしまうくらいかっこいい。けれど、本人は大きく笑う気さくな関西人で、緊張ひとつせず、うどんを食べ終わるころには、明後日から1週間泊めてもらうことになっていた。
こういうことがあるから、縁とか運命というものを都合よく信じたくなる。

photograph & text:MISATO SHIMIZU
WRITER
タレント・モデル・俳優
清水みさと
タレント、モデル、俳優など幅広く活動。サウナ好きが高じて、「サウナイキタイ」のポスターをはじめ、ラジオ「清水みさとの、サウナいこ?」(AuDee/JFN全国21局ネット)のパーソナリティーを務めるほか、TRANSIT「世界のサウナ巡礼記」、るるぶ「あちこちサウナ旅」、リンネル「食いしんぼう寄り道サウナ」、オレンジページ「本日もトトノイマシタ!」など多数の連載を担当。







