薪で沸かす大正時代の銭湯にアンティーク時計店【愛媛・八幡浜】で叶うレトロ巡り|旅エッセイ
一時間半、車を走らせ着いた八幡浜は、悪天候も相まってか、港町なのに驚くほど静かだった。目的の銭湯の近くの駐車場に車を停めて歩いていると、目的地まであと3軒というところで、そこだけ雰囲気の違う、木枠にガラスの洒落た扉が目に入った。
時計屋さんだった。ヴィンテージの一点ものを扱っているお店らしく、古い時計が並ぶ店内が扉越しに見えた。実は今年に入ってから、自分で自分に時計を買いたくて、ずっと探していた。東京、札幌、大阪と何軒か見てまわっても、ピンとくるものには出会えず、憧れのロレックスは人気でそう簡単には買えるものでもなく、まだ自分には早いのかもしれないと、半ば諦めかけていた。
そんなときに、昨日まで来る予定すらなかった愛媛の、さらに予定になかった八幡浜で、突然時計屋さんが現れた。気にならないわけがないけれど、そんな都合のいい話もあるわけないかと、ひとまず目的の銭湯へ向かった。

八幡浜にある「大正湯+plus」はその名の通り大正時代から続く銭湯で、今も薪でお湯を沸かしている。小ぶりなお風呂だけど、大切に残された昔ながらのしつらえや、使い込まれたロッカーから、長いあいだこの街の人に愛されてきたことが伝わった。
photograph & text:MISATO SHIMIZU
WRITER
タレント・モデル・俳優
清水みさと
タレント、モデル、俳優など幅広く活動。サウナ好きが高じて、「サウナイキタイ」のポスターをはじめ、ラジオ「清水みさとの、サウナいこ?」(AuDee/JFN全国21局ネット)のパーソナリティーを務めるほか、TRANSIT「世界のサウナ巡礼記」、るるぶ「あちこちサウナ旅」、リンネル「食いしんぼう寄り道サウナ」、オレンジページ「本日もトトノイマシタ!」など多数の連載を担当。
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