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「『自分と同じもの』を子に受け渡さないようにしようと思った」【吉川ひなの】子育てに思うこと

大事なのは、そこに親がジャッジを入れないことだという。

「ただただ、“そういう気持ちだったんだね”と子どもの気持ちを受け取るだけ。『じゃあ次こうしよう』とか『それは違うよ』とか、そういうことは言わない。むしろ言わないほうがいいと感じていて。自分の気持ちを言葉にして伝えられるようになると、大人になってからも生きやすさにつながると思うんです。だからそれを、なるべく子どものうちから知っておいてほしいなって」

 

その積み重ねを感じた出来事が、友人たちと訪れた西表島で起こった。


 「この間、下の2人を連れて西表島のオフグリッドのジャングルに行ってきたんです。そのときに、息子が同い年くらいの男の子に嫌なことをされて、すごく怒っていたんです。ロープで木に縛りつけられて、傷つくような言葉を言われたらしくて。わたしもそれを聞いて、『そっか、それは嫌だったよね』って話していたんですけど、そのあとどうするのかなと見ていたら、本人のところに自分でズンズン歩いていって」

 

そこで息子さんは、泣きそうになりながら、自分の言葉でこう伝えたのだという。
 「『僕はすごく寂しかった。あんなことされて本当に悲しかった。一緒に遊んでいる意味がないじゃん』『なんで、嫌だって言っているのにやるの?』『僕は謝ってほしい』と、自分で交渉していたんです。それを見て、すごいなと思って。やり返すでもなく、怒鳴るでもなく、自分の気持ちをちゃんと相手に伝えていたから」

 

相手の子は、最後まで謝らなかった。それでも、息子さんは気が済むまで伝えたあと、自分でひとつ区切りをつけた。
 「息子は、『もういいよ。許すけど、ちゃんと君が謝ってくれるまでは遊べない』と言って、わたしのところに戻ってきて。で、『ごめんねって言ってくれなかったけど、僕はもう許したから、他の子と遊んでくるね』って。それを見て、自分の気持ちをそこまできちんと伝えられたら、人はある程度“もういいや”と負の気持ちを手放せるんだなと。何も言えないまま抱えるより、ずっと穏やかでいられる」

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otona MUSE 2026年6月号より

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