「『自分と同じもの』を子に受け渡さないようにしようと思った」【吉川ひなの】子育てに思うこと

毎回自由に内容を変え、お送りしているひなの連載。ハウオリはハワイ語でHAPPYの意味です。
子育てについて
自分の気持ちに「気づける」人に
日本に帰ってきて、まず何を感じたのか。そんな率直な心境から、ひなのさんは今の暮らしと子どもたちの変化について話してくれた。
「私は日本で生まれ育っているから、子どもたちに教えられることがたくさんあるなって。全て日本語でやり取りができるし、感覚として肌なじみがある。ハワイといっても、アメリカ社会の中で育ってきた子どもたちは、やっぱり戸惑うことが多かったと思う」
日本に来てから、子どもたちもそれぞれに変化があったという。
「真ん中の子は、一回日本の公立の小学校に3カ月だけ入れてみたり、一番下の子も保育園に入れてみたりしたんですけど、やっぱりすごく戸惑っちゃって。どっちがいいとか悪いじゃなくて、先生との関わり方とか、ルールとか、あらゆることがあまりにも違うんですよね。結局インターに通い始めたら、見るからに伸び伸びしてきて。人って、最初に育った環境で基礎が作られるんだなと感じました」
特に長女の変化は大きかったそう。
「娘は13歳までハワイにいたので、感覚としてはもうアメリカ人なんですよね。日本語はすごく上手に話せるんだけど、“日本人同士でこういうことを言うのはおかしいの?”とか、“日本だとこの格好で外に出ていいの?”とか、今もまだ迷うことが多いみたいで。でも逆に、日本に来て初めて、英語ができることはラッキーなんだと思えたみたいなんです。今まではそれが当たり前だったけど、日本だと自分の強みとして見えてきたんだと思う。そういう意味では、いい気づきになっているのかな」
子どもたちがそれぞれに変化していくなかで、ひなのさんが大切にしているのは、「まず気持ちに気づくこと」だという。
「たぶんわたしは、子どもたちに必要以上に寄り添っちゃう傾向がある。子ども時代に自分がすごく寂しかったり悲しかったりしたから、子どもたちにはそういう思いをしてほしくなくて。息子とかがグズってたりすると、“もしかして傷つけてしまったのかな”と、すごく気になっちゃう。そんなときに助けられたのが『ニーズカード』でした。
トランプみたいなカードに、楽しかった、悔しかった、悲しかった、怖かった……といったさまざまな感情が一枚ずつ書いてあるんです。もう半分のカードには、“どうしたかったのか”というニーズが書いてある。例えば息子が激しく泣いているときに、『じゃあこれで教えて』と見せると、イエス・ノーで選んでいけるんです。『嬉しかった?』『違う』『悲しかった?』『そう』『悔しかった?』『そう』という具合に。選んだカードを並べて、『そっか、悔しかったんだね』『悲しかったんだね』『つらかったんだね』って、まずその気持ちを一緒に確認する。人って、自分の気持ちを“分かってもらえた”というだけで、少し落ち着けるじゃないですか。だから、そのあとで『じゃあどうしたかったの?』とニーズのカードも選んでいくと、だんだん感情が整理できていくんです」
otona MUSE 2026年6月号より
EDITOR
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