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「DV加害者に女性みんなで復讐」これって是か否か!? 【吉岡里帆】映画『シャドウワーク』インタビュー

――紀子ってもともとどういう人だったか、考えました?

 

吉岡 最初に監督からオーダーされたことがあったんです。紀子は暴力のありなしに関係なく、社会不適合な部分があって、人とはうまくなじめないし、生活をうまく営むことができないキャラクターだ、と。そこを大事にしてほしい、とうかがいました。キャラクターのプロフィールも監督が用意してくださったのですが、紀子は学生のころから周囲に微妙になじめていなくて、自分を押し殺すことでなんとかやってきた女性。本音で人と向き合えていないから、深い人間関係を構築できていない。だからこそ、同じような傷を抱えている<おうち>の人たちと出会ったことで、初めて人と分かり合う歩み寄りができて、かけがえのない関係性を築くことができる。そんないびつなバックボーンを知れたおかげで、紀子のキャラクターを理解することができました。

 

――復讐のために似た痛みを抱える人たちがタッグを組んで……って、それだけだと薄気味悪いですものね。スパイ小説みたいな。

 

吉岡 そうなんですよ。たしかに気持ち悪さは残ると思うんですけど、彼女たちの正義にフォーカスすることで観た人たちはなぜか「善行」と錯覚しちゃう。それで観た人同士が違和感やその原因について語り合ってくれればいいな、と思います。

 

――役作りで大きな作用をするはずの衣装やメイクに頼れないのも、この作品らしさでしたね。

 

吉岡 原作でもそうなんですが、紀子を含めて逃げてきた人たちはみんなとにかく荷物が少なく、着の身着のままなんです。どうにかしようというやる気も起きないんです。それが裏テーマとしてもあって、新しい服を買いに行ったり美容室で身なりをきれいにしたり、っていう気力がないし、食べものにもこだわりがなくなっていたり、ツメも伸び放題だったりとか……それが自然に見えるようにしていたので、メイクも衣装のパターンも、ほぼなかったんです。

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Interview & Text_MASAMICHI YOSHIHIRO
Photograph_KAZUYUKI EBISAWA【MAKIURA OFFICE】
Styling_ MAKIKO IWATA
Hair & Make-up_Hitoshi NOBUSAWA

衣装クレジット:
ショートジャケット¥154,000、ドレス¥71,500(共にアンナ チョイ/アンナ チョイ クライアントサービス)、ピアス¥20,900、リング¥23,100(共にジュエッテ)、イヤカフ¥13,200、 バングル¥29,700(共にエテ)、シューズはスタイリスト私物

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WRITER

1972年、東京都新宿区生まれ。大学在学中からゲイ雑誌『バディ』編集部で勤め始める。卒業後、音楽誌、情報誌、女性誌などの編集部を経て独立。『sweet』、『otona MUSE』(共に宝島社)で編集・執筆のほか、『an・an』(マガジンハウス)、『家の光』(家の光)、『with』(講談社)、『J:COMマガジン』(J:COM)など多くの媒体で、インタビューやレビュー記事を連載。テレビ、ラジオ、ウェブなどでも映画紹介をするほか、イベントでの解説、MCも。ゴールデングローブ賞国際投票者、日本アカデミー賞会員、日本映画ペンクラブ会員。

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