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「DV加害者に女性みんなで復讐」これって是か否か!? 【吉岡里帆】映画『シャドウワーク』インタビュー

――リサーチはどのようなことを?

 

吉岡 原作小説と監督が事前に当事者の方にインタビューされていたお話をうかがうところから始めました。私自身もそのあとで当事者の方とお話する機会を設けたり、資料を読んでみたり。それで知ったのは、DV被害者自身は悪くないのに、なぜか自分を責めてしまう感情から逃げられない人が多いということ。これが一番印象に残っています。これってDV以外でも当てはまるシーンがありますよね。たとえば、知らない間に自分の意見を言えない雰囲気、思っていることを口にすらできない空気とか。そういうものが続くと、意見や考え自体がなくなってしまう。でもそうじゃないですよね。人は言葉を持っていて、発する権利もあって、思ったことを相手にぶつけていい。その感情を思い起こしてもらえるように、観た人に感じてもらいたいよね、ということは監督ともお話していました。

 

――演じていて辛くなることも多そうですね……。

 

吉岡 オンカメラのときはかなり重々しかったです。とくに暴力シーン。分かりやすく血や傷があればそれほど感じなかったかもしれませんが、心の傷を見せるために、逆に、血をほとんどつけない方針だったんです。だからお芝居とはいえ、振りや悲鳴だけで表現していかないといけなかったぶん、実際には暴力を受けていないはずなのに本当にボコボコにされている圧迫感みたいなものを感じてました。それに、紀子が無気力な状態から<おうち>の人たちに心を次第に開いて、持ちまわりに関わる決心をつけていく変化を出していくのは本当に大変で……。物語の中で出てくる問いかけは、ご覧いただくお客さんにも「これって正しいことなんでしょうか」っていう問いかけにつながっていきますが、倫理的には、間違っているんですよ。でもここまでしないと乗り越えられない、理不尽な暴力って世の中には存在しているだけに、この訴えかけは大事に打ち出していきたいと思って挑んでました。

 

――つら……。そうすると吉岡さん自身にも<おうち>のような拠りどころが必要ですよね。どこかあります?

 

吉岡 マネージャーさんとの帰りの車です(笑)。

 

――え(笑)?

 

吉岡 その日にあったことでちょっと違和感を抱いたことをお話するんですよ。それを共有できる存在なので、私にとっては<おうち>になりましたね。それに<おうち>のメンバーを演じた共演の皆さんとはすごく自然に心を開き合っていました。

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Interview & Text_MASAMICHI YOSHIHIRO
Photograph_KAZUYUKI EBISAWA【MAKIURA OFFICE】
Styling_ MAKIKO IWATA
Hair & Make-up_Hitoshi NOBUSAWA

衣装クレジット:
ショートジャケット¥154,000、ドレス¥71,500(共にアンナ チョイ/アンナ チョイ クライアントサービス)、ピアス¥20,900、リング¥23,100(共にジュエッテ)、イヤカフ¥13,200、 バングル¥29,700(共にエテ)、シューズはスタイリスト私物

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WRITER

1972年、東京都新宿区生まれ。大学在学中からゲイ雑誌『バディ』編集部で勤め始める。卒業後、音楽誌、情報誌、女性誌などの編集部を経て独立。『sweet』、『otona MUSE』(共に宝島社)で編集・執筆のほか、『an・an』(マガジンハウス)、『家の光』(家の光)、『with』(講談社)、『J:COMマガジン』(J:COM)など多くの媒体で、インタビューやレビュー記事を連載。テレビ、ラジオ、ウェブなどでも映画紹介をするほか、イベントでの解説、MCも。ゴールデングローブ賞国際投票者、日本アカデミー賞会員、日本映画ペンクラブ会員。

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